金谷美帆 総ビーズ織り屏風「蝶」(2014年)
H1,100 × W2,000mm
総ビーズ数:約68万粒

狩野派の絵師たちは、金箔の貼られた襖や屏風に、人物や動物、風景を描きました。京都に何度も足を運び、たくさんの屏風を見ているうちに「わたしは金のビーズで屏風をつくろう!」とひらめきました。この作品では金のビーズをベースに、「善と悪の争い」を、色鮮やかな蝶と焦茶色の蝶を対比させることで表現してみました。観る人によって心の葛藤に映ったり、病魔との闘いに見えたり…様々だと思います。(金谷)

第二扇の左上に織られた
三頭の黄色い蝶の拡大写真

金谷美帆 ビーズ織り飾り扇子「原爆ドーム」(2014年)
H400 × W600mm
総ビーズ数:約7万粒

「原爆投下後、70年間は緑が育たない」とさ
れていた広島。いま元安川の畦は豊かな緑に覆
われています。人間同士がいくら争い合って自
然を破壊しても、自然は再生していきます。そ
んな「自然の偉大さ」「生命力の強さ」をこの
作品に込めました。(金谷)

 

ビーズ織り扇子は、この「原爆ドーム」の他に「富士山」「吉野の桜」「日光東照宮」があり、四連作となっている。うち後者二作品は「神の手●ニッポン展」で初公開される予定だ。
左の写真は「日光東照宮」を製作中の一齣。
ビーズ一粒がいかに小さく、それを大作に織り上げるには、どれだけの情熱と時間が必要かイメージしていただけるであろうか?
なお、下に見える方眼紙は設計図だ。


ビーズアーティスト

神奈川県立湘南高校、学習院大学経済学部卒。在学中、ミス鎌倉、ミス熱海梅の女王に。IKCアナウンサーを経て、1998年よりビーズ創作活動を始める。
きっかけは、海外旅行中のニューヨークでビーズクイーンと評されるJoyce Scott氏の作品に出会ったこと。「Joyceの作品に出会い、ビーズで自分の世界を確立できるかもしれないという閃きがありました」。また「ビーズをただの手芸と思われたくない」とも。以来、アートビーズクリエーターとして次々と大作を世に生み出してきた。それは日本だけではない。
2008年 ワシントンDC日本大使館「The World of Art Beads by Miho Kanaya」
2014年 ニューヨークチェルシー地区セーラムギャラリー「The World of Art Beads by Miho Kanaya」
代表作は、総ビーズ織り「和衣裳」(165万余粒使用)、総ビーズ織り六曲屏風「鎌倉」(2009年ギネス世界記録認定。206万3738粒使用)。

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