本池秀夫「いたずら」(2008年)
H200 × W222 × D170mm
牛革、銀

本池秀夫は、世界で唯一人の革人形師だ。幼少の頃から革を触ることで何故か不思議と気持ちが落ち着く性格で、見よう見まねで革のポーチやペンケースを作っていたという。「いつかは革で何かを作る仕事がしたい」と思っていたそうだ。
革人形を作るきっかけは22歳の時。欧州での自分探しの旅を間もな く終えようとしている頃、ローマでショーウインドウに飾られていた ジュゼッペ•カッペ(Giuseppe Cappe)作の磁器人形に心打たれ、それを革で作ってみようと思い立ち、誰に習うのでもなく、道具すら自作し、試行錯誤の末に習得した数々の独創技法によって独自の革人形の世界を創り出した。
本池作品の最大の特徴は、革の人形にまるで血が通っているのかと思わずにはいられない緻密な作りと、細部への徹底したこだわりにある。一人ひとりのキャラクターが生き生きと表現されていることはもちろん、観る者に人形同士のあたたかな関係性が伝わってくる。
革と仕事について、本池は次のように述べている。「皮は、動物の一部です。食用になった後、いわば廃物であるその皮が加工され、<革>になります。そこに自らの感性や技術を活かし、新たな<生>を吹き込むのが私の仕事です。その興味は尽きるということがありません」

本池秀夫「勝利への道」(2013年)
H150 × W250 × D250mm 
牛革、銀

この作品は、優勝を勝ち取って誇らしげな表情をした馬主と嬉しそうにトロフィーを抱える奥様。そして騎手と競走馬が細かいディティールまで全てレザーで表現されており、革とは思えないほど精巧に作られています。分かりづらいと思いますが、顔、手足、肌や髪、衣服、動物まで、すべて革で出来ています。トロフィーなどの金属部分は彫金により銀細工で作られています。ノスタルジックなセピア色の世界にどこか温かみを感じます。人形の靴(約3cm大)も本物の靴と同じ作り。(本池談)製作期間(約6ヶ月)


レザーアーティスト

1951年、鳥取県米子市に生まれる。1973年、渡欧し、ジュゼッペ・カッペの陶磁器人形と運命的に出会い、帰国後、人形作家への道を志す。1975年、渋谷 PARCO にてノーマンロックウェル展』に賛助出品。1976年、初めての個展『本池秀夫の人形展』開催~以降グループ展参加、個展開催、雑誌掲載等作家としての露出が増える。1980年、イタリア・ローマのIBIZ(イビズ)工房で 製作活動を行う。帰国後、故郷である米子にアトリエを移す。1994年《革の馬》を製作、これ以降革で動物作品を製作するようになる。1995年、イタリア・ピエトラサンタのフランコ工房で大理石の彫刻を製作。1998年、作品集『LEATHER DOLLS 革の人形 老人と子供』(美術出版社)発行。2009 年、米子市美術館25周年特別企画展『本池秀夫 革の世界』(米子市美術館)開催。2010年、企画展『本池秀夫 革の世界 LEATHER ART WORKS OF HIDEO MOTOIKE』 (島根県立石見美術館)開催。2013年、テレビ朝日「徹子の部屋」出演。本池秀夫 革の世界展 LEATHER ART WORKS OF HIDEO MOTOIKE』 開催。2014年、『本池秀夫 革の世 界展 LEATHER ART WORKS OF HIDEO MOTOIKE』(新見美術館)開催。2016年「革工芸の無形文化財保持者」に認定される。

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