シャドーボックスとは、絵柄を切り抜き、何枚も貼り重ねて立体感や奥行き感を出し、新たな命を吹き込むアート。作品に光を当てると影〜シャドーができることからこの名がついたといわれている。

起源は17世紀ヨーロッパの貴婦人の間で流行した「デコパージュ」。その後アメリカに伝わってアレンジされ、立体の絵を額縁に入れる現在の姿になったそうだ。

大橋禾苗は、この「光と影の芸術」を、30年前日本に紹介し広めた第一人者の一人。その日から今日まで先頭を走り続けている。

日本ではまだあまり知られていないシャドーボックス。
大橋は「シャドーボックスを手工芸のジャンルから芸術の域にまで高めること」が人生の目標だと瞳を輝かせる。

大橋禾苗「最後の審判」(2003年)H940 × W870× D105mm
バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の祭壇に描かれたルネサンス期の芸術家ミケランジェロの代表作「最後の審判」。2003年、大橋は絵を求めてバチカン美術館を訪れ、「天地創造」とともに持ち帰り、400人以上の人物を切り抜いては、白い切り口を消し、表情や立体感を出しながら貼り重ねている。制作に6ヵ月の時間と情熱を注いだ大作。 大橋は、当初から最後に作る作品は「最後の審判」と決めており、持てるすべてのエネルギーを込めて完成させたそうだ。しかし完成したその瞬間、新たな創作意欲が湧き出てくるのを抑えることができず、現在に至っている。
大橋曰く「私にとっては背景のブルーが、人を惹きつけるエネルギーのような気がします」。カルーゼル・ドゥ・ルーブルでの展示では、いつも子供たちがこの作品の前に座っていたと聞き感激したという。
作品「最後の審判」は、Art Academy Japan「審査員奨励賞」、カルーゼル・ドゥ・ルーブル「グランプリ」、「トリコロール芸術平和賞」受賞など、世界で数々の賞を受賞。ルーブル美術館のカルーゼル・ドゥ・ルーブルでの展示をはじめ、美術展を巡回している。
重厚な作品が多い中で「んにょんにょマンハッタン」はカラフルかつポップで楽しい作品。実はイラストレーターでもある長男のKOJI-KOJI氏とのコラボレーション作品で、「若い方々がシャドーボックスに興味を持たれるきっかけになれば」と制作。

シャドーボックスアーティスト

神戸生まれ。ご主人の転勤でニューヨーク滞在中にシャドーボックスと出会い習得。
帰国後、東京にて「シャドーボックスはなみずき」を設立主宰。沢山の講師を育成、1994年に本部を兵庫県川西市に移し、東京、神戸、京都、名古屋教室を順次独立させる。
ミケランジェロやラファエロの絵を好み、斬新な絵を使って大作に挑戦。作品は海外、特にヨーロッパ等で高い評価を得ている。
AMSC (スペイン)本部「グランコレクショナブル賞」、海外芸術交流協会「イタリア本部最高賞」、カルーゼル・ドゥ・ルーブル「グランプリ」、「トリコロール芸術平和賞」ほか国内外で受賞多数。2005年には日仏芸術親善大使に認定されている。

大橋禾苗作品集
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